非英語圏で(英語)留学するということ
Bさん
人文学部人文学科
留学期間:2014年10月~
留学先:ワルシャワ大学
留学便り
ポーランドは、しばし東欧に分類されますが、地理的にはヨーロッパの中央に位置し、140か国以上から29,000人もの留学生が集まる国です。私は、1セメスターの間に、約45ヵ国の人との出会いを体験しました。一つの国と出会うたびに、その国をより知りたいと思うようになり、国籍・年齢などを問わない日常生活での交流からは授業以上にたくさん学ぶことがありました。ポーランド・ワルシャワで生活は、私にとって、言語とコミュニケーションを考え直すきっかけになりました。
まず、英語が国際語であっても、世界共通言語ではないということを改めて実感しました。スーパーなど、町中で英語が通じないことはしばしばですが、大学のキャンパス内でもある人に教室の場所を英語で尋ねると、その人は周りの人に、ポーランド語と英語を理解でき、通訳者のような役割を果たせる人はいないかと探し始めることもあります。また、私の住んでいる寮の中では、学生にSorry, I don’t speak English と返答されたり、寮の多くの従業員の方はポーランド語しか話しません。お店や人の対応からは、ポーランドなのだから、ポーランド語だけで仕方ないでしょうといった雰囲気もたまに感じられます。(もちろん、少なからずのワルシャワ大学生は英語を話し、私がポーランド語を話さないと理解すると、英語に切り替える高齢者の方もいます。)
一方で、ポーランドの大きな大学では、ポーランド語のプログラムがあり、そのプログラムに参加している学生は英語を話さないことがあります。彼らには彼らの優先するべき勉強・言語があり、英語が通じて当たり前だと考えて、英語を強要することはできません。 しかし、主に英語を勉強するつもりでいた私にとっては、このようなポーランド語の環境にストレスを感じることもあります。銀行の書類や寮の契約書などの重要なものから、町中の広告など、ほとんどがポーランド語表記です。その度にgoogle翻訳が重宝すると共に、ポーランド語を話す友人の協力にとても感謝しています。英語圏ではないポーランド語圏の生活を少しは予想していたものの、英語で書かれていたら苦労することなく理解ができただろうし、自分の勉強のためにもなったと何度も思いました。
とはいえ、最終的に自分に言い聞かせることは、自分が選んだ環境で、出来ることを最大限にやろうということです。環境のとらえ方は人それぞれで、変えられないものを変えようと無理なことをするのではなく、変えられるものに意識を向けて、前向きに行動することが重要だと実感しています。 今までに、Sushiはもちろん、たくさんのArigatouを聞くことができました。たまに、Hiや、Sorryを、お辞儀をしながら言うと、相手もぎこちなくお辞儀を返してくれ、日本のお辞儀が好評を得ることがあります。 このような環境で、私は言語の役割を考えさせられると共に、言葉に頼りすぎないコミュニケーション能力と、環境に負けないタフな精神力が身についてきていると思います。英語を何よりも勉強したい人にとっては、英語漬けの環境ではないのが残念かもしれませんが、私にとっては、それ以上にたくさんの人との出会い、その交流から学ぶ機会がここにはあると思います 。